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2025.10.27

妊娠中の歯科受診の重要点と定期検診の大切さ

妊娠中の歯科受診の重要点と定期検診の大切さ

妊娠中はホルモンバランスの変化や生活リズムの違いによって、お口のトラブルが起こりやすくなる時期です。
しかし、「妊娠中に歯医者へ行って大丈夫?」「レントゲンや治療は赤ちゃんに影響しない?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、妊娠中でも安心して受診できる歯科治療のポイントや、妊娠中の定期検診の大切さを、できるだけわかりやすく解説します。
妊婦さんが安心して妊娠期を過ごせるよう、気になる疑問にもお答えしています。

目次
1. 妊娠中にお口のトラブルが増える理由
2. 妊娠中に起こりやすい症状とその影響
3. 妊娠中の歯科受診は本当に大丈夫?
4. 妊娠中の歯科治療の注意点(妊娠周期別に解説)
5. 妊娠中の定期検診が大切な理由
6. 妊娠中によくある質問Q&A
7. まとめ

1. 妊娠中にお口のトラブルが増える理由

ホルモンバランスの変化

妊娠中は「エストロゲン」や「プロゲステロン」といったホルモンが増加します。
これらは妊娠を維持するために欠かせないホルモンですが、歯ぐきに炎症を起こしやすい環境をつくることが知られています。

特に、普段は問題がなくても妊娠すると急に歯ぐきが腫れたり出血したりしやすくなることがあります。

つわりによる歯みがき不足

つわりのために歯みがきが難しくなる方も多いです。
毎日の歯みがきが十分にできないと、どうしてもお口の中に汚れがたまり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。

食事回数の変化

妊娠中は空腹で気持ち悪くなる方や、間食が増える方もいます。
食事回数が増えるとその分だけ虫歯菌の活動時間も増え、虫歯ができやすくなる傾向があります。

2. 妊娠中に起こりやすいお口の症状とその影響

(1)妊娠性歯肉炎

妊娠中の歯ぐきの腫れや出血の多くは「妊娠性歯肉炎」と呼ばれるものです。
軽度の炎症でも放っておくと、痛みが出たり、歯周病へ進行してしまう可能性があるため注意が必要です。

(2)虫歯の進行

歯みがきしにくかったり甘いものが欲しくなる影響で、妊娠中は虫歯が進行しやすい時期です。
小さな虫歯でも、妊娠中は進行が早くなることがあり、痛みが出てからでは治療が難しいケースもあります。

(3)歯周病と早産・低体重児出産のリスク

最近の研究では、重度の歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高めることが指摘されています。
原因は、歯周病の炎症によって血液中に「炎症物質」が増えるためと考えられています。

もちろん、歯周病があるからといって必ず早産になるわけではありませんが、妊娠中のお口の健康を整えることは、赤ちゃんの健康にもつながるとされています。

3. 妊娠中の歯科受診は本当に大丈夫?

結論として、妊娠中の歯科受診は基本的に可能で、むしろ推奨されます。
ただし妊娠の週数や体調によって、治療の内容や進め方には配慮が必要です。

歯のレントゲンは大丈夫?

歯科のレントゲンは放射線量が非常に少なく、防護エプロンをつけるため赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。
必要な場面では妊娠中でも撮影が可能ですが、不安な方は遠慮なく相談してください。

麻酔は?

歯科で使う麻酔は局所麻酔であり、ごく一部分にしか作用しません。
妊娠中でも安全性が高いとされており、痛みを我慢するよりもむしろ適切に使用したほうが安心です。

4. 妊娠周期別の歯科治療のポイント

妊娠初期(1〜4ヶ月)

・つわりが強く、治療イスに長く座るのが辛い時期です。
・応急処置や緊急性がある治療は行いますが、無理のない範囲で進めることが一般的です。
・強い薬剤の使用は避け、慎重に治療計画を立てます。

妊娠中期(5〜7ヶ月)――もっとも治療がしやすい時期

・体調が比較的安定し、治療に適した時期です。
・虫歯や歯周病の治療、クリーニングなども安心して行えます。
・レントゲン撮影や麻酔治療も必要に応じて対応できます。

妊娠後期(8〜10ヶ月)

・お腹が大きくなり長時間の治療は負担がかかりやすい時期です。
・イスを倒しすぎると苦しくなるため、姿勢に配慮しながら治療を進めます。
・緊急性がない治療は産後に行うこともあります。

5. 妊娠中の定期検診が大切な理由

(1)歯周病や虫歯の早期発見・早期治療につながる

妊娠中は症状が出にくいまま進行してしまうトラブルもあるため、定期的に専門家がチェックすることがとても重要です。

(2)つわりによる歯みがき不足をフォローできる

「つわりで歯が磨けないんです…」という方は非常に多いです。
歯科でのクリーニングやプロによるケアで、お口の中の負担を減らすことができます。

(3)産後の忙しさの前の“準備期間”になる

赤ちゃんのお世話が始まると、自分の歯の治療やクリーニングの時間は取りづらくなります。
妊娠中にお口の健康状態を整えておくことで、産後のトラブル予防につながります。

(4)赤ちゃんの“虫歯予防”にもつながる

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌はいません。
しかし、周囲の大人からうつることがあります。
妊婦さん自身の虫歯リスクを下げておくことは、お子さんの虫歯予防にもつながります。

6. 妊娠中によくある質問(Q&A)

Q1. 妊娠中ですが痛みが出た時はどうしたらいいですか?

A. 我慢せずに歯科を受診されることが推奨されます。痛みが強かったり感染のリスクがある場合は、妊娠中でも適切な治療を行います。

Q2. 妊娠中に歯のレントゲンを撮っても本当に大丈夫ですか?

A. 歯科のレントゲンはごく低線量で、防護エプロンを使用します。胎児への影響はほとんどないとされています。

Q3. 市販の痛み止めを飲んでも良いですか?

A. 妊娠週数によって飲めるお薬が異なります。自己判断は避け、歯科や産婦人科にご相談ください。

Q4. 妊娠中のクリーニングはできますか?

A. 可能です。特に妊娠中期はお口のケアに最適です。

Q5. 妊娠中はどれくらいの頻度で歯科を受診すべき?

A. 月1回のチェックやクリーニングを行う方も多いですが、体調やお口の状態によって調整が必要です。

7. まとめ

妊娠中は普段以上にお口のトラブルが起こりやすいため、
「妊娠しているから歯科は行かないほうがいい」ではなく、「妊娠しているからこそ歯科に行くべき」 といえます。

● 妊娠中でも歯科受診は可能
● 妊娠中期はもっとも治療しやすい時期
● つわりやホルモン変化で虫歯・歯周病リスクが上がる
● 定期検診は早産リスクの低減にもつながる可能性がある
● 産後のためにも妊娠中にお口を整えておくことが大切

妊娠中の患者様は不安も多いと思いますので、どうぞ遠慮なくご相談ください。
安心して受診いただける環境づくりと、丁寧なサポートを心がけています。

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